お見舞いの話

アキコです。

今日は休み。職場の先輩のお見舞いに行ってきた。いつも飲みに行く女子会仲間。

仲間は私含め4人。他3人はみんな私よりずっと年上で、大ベテラン。ずっと3人で飲みに行っていたところ、私が仲間入りした。ずっと年下で新人の私を、よく迎え入れてくれたなと。

なかなか4人全員が揃うことがなく、久しぶりに4人が揃って飲みに行ったのは9日前。宴もたけなわとなった頃、ひとりの先輩が、実はみんなに告白することがあると突然言い出した。4人中一番勤続年数が長い彼女。まさか、辞めちゃうとか…?と勘ぐった。しかし彼女は笑顔で全然予想だにしなかったことを、しかもすごくさらっと言った。

乳がんが見つかって来週手術なの」

みんな一瞬、言葉を失っちゃった。そしてみんな、はっと我に返って同時に発した言葉は、

「飲んでる場合かっ!」

彼女は笑ってたし、聞けば超早期発見で、腫瘍は1センチ程度とのこと。人間ドックから2週間、発見、結果通知、入院、手術まで1ヶ月足らず。3ヶ月かかったという話も聞いたというから、随分段取りが早かったね、と。

3日前まで仕事して、おととい入院、検査。そして昨日手術。今日は一日安静で、明日、退院。で、来週末から仕事復帰。

いやいや、早くね?と。

術後はリハビリが必要だから、むしろ仕事した方がいいんだって。もちろんまだ夜勤は無理だけど、そんでもタフだなぁ…と思った。終始ニコニコ、あっけらかーんとしてて。

ただ、そんな彼女が一瞬だけ、表情を曇らせたのを、私たちは見逃さなかった。

それは、先の飲み会の席で。乳がんを告白した時の、旦那さんの反応の話をした時だ。

旦那さんはただ一言言っただけだったそう。

「日頃から不摂生してるからだ」

不摂生といっても、本当にたまに私たちと飲みに行く程度で、夜勤だって家計を助けるため。乳がんは元々彼女の家系でもあるそう。それを、普段から大酒飲みでヘビースモーカーである旦那さんにそう言われて、励ましや慰めのような言葉何一つないのはやはり頭に来た、と。旦那さんに見せるために用意してた入院手続き等の資料を、目の前で破り捨てたそうだ。後から病院に無くしたからって言って、また資料もらったんだよ〜って笑ってたけど、涙目になっていた。

乳がんが見つかったことよりも、こっちの方がずっとショックだったんだろうなって。

それから旦那さんとは口をきいてないそうで、入院する日も黙って出てきたと言っていたけど、お見舞いには来たと聞いて、安心した。彼女はお母さんも同居で元気だし、娘一家も近所で孫も2人もいるし、横浜にいる息子さんもお見舞いに来たそうだし、仲介も沢山いるから、旦那さんとも自然と仲直りするだろうね。まぁきっと、旦那さんもテンパったんだろうね。

入院してそばにいなくなって初めて、ありがたみを知るんだよそういう旦那って。

彼女は大丈夫だろう。発見から手術まで早かったし小さかったし。体力もあるから、すぐ元気になるだろう。そしたら盛大に快気祝いして、思いっきり旦那さんの愚痴をこぼしてすっきりしてほしい。

女は、強くあるべきだね。今回、姐さんに教えてもらったよ。